機能性金属材料を、設計から実用へ
金・高研究室では、医療・産業への応用を目指し、生体用形状記憶・超弾性合金および生体用低ヤング率合金の開発に取り組んでいます。また、実験・計算データと機械学習を活用し、求める機能を発現する新しい合金組成と材料設計指針を探索しています。合金の作製から機械的・機能的特性の評価、電子顕微鏡による原子レベルの組織解析までを一貫して行い、組成・組織・特性の関係と材料機能が発現する起源を明らかにします。
生体用Ti基形状記憶・超弾性合金の研究・開発
形状記憶合金は、ガイドワイヤ、ステント、歯列矯正用アーチワイヤなど、幅広い医療機器に利用されています。現在実用化されているTi-Ni合金(ニチノール)にはNiの生体適合性や長期安全性に課題が残るため、私たちは生体適合性と力学特性に優れた新しいTi基合金の開発を進めています。

生体用低ヤング率合金の研究
純TiやTi合金は優れた生体適合性を示し、人工股関節などのインプラント材料として広く用いられています。一方、骨より高いヤング率は周囲の骨に荷重が伝わりにくくなる応力遮蔽を引き起こします。私たちは、必要な強度と耐久性を保ちながら骨に近い柔軟性を備えた低ヤング率合金の開発に取り組んでいます。

機械学習による高性能金属材料の開発
機械学習を活用し、生体用Ti-Zr系合金および高エントロピー合金における高性能化を目指した合金設計を行っています。特に、超弾性および形状記憶効果を発現する組成領域の予測と最適化に重点を置いています。実験データと第一原理計算・熱力学計算を統合し、マルテンサイト変態挙動や弾性特性を高精度に予測します。
