量子物性

 量子力学などの現代物理学は、古典物理学(力学や電磁気)では説明できない不思議な現象を詳しく解明でき、さらに、これまでにない応用の世界を拓くこともできます。この量子物性の研究分野では、現代物理学中で、特に、物質のミクロな性質(物性)に注目して基礎的な研究を行うとともに、実社会で役に立つ応用的な研究も進めています。物質としては、無機物および有機物から作られる、超伝導体、誘電体、半導体、磁性体、金属などを幅広く対象とし、量子力学などを用いてミクロな性質を解明しています。さらに、デバイス構造を利用して研究を進めることにより、これまでにない新しい現象の発見や、応用への展開を行っています。現代物理学の知識を活用して、最先端の研究を行いましょう。詳しくはそれぞれの研究室のホームページをご参照下さい。
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ビスマス系高温超伝導体、グラファイト、固有ジョセフソン接合、NbSe3、希土類鉄砒素超伝導体などを用いて、高品質単結晶をナノ加工することで得られる新奇現象を基にした高温超伝導体の物性研究を行うと共に、超伝導テラヘルツレーザーの開発や新物質の開拓を進めています。

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ビスマス系酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCuO8+dの大型、高品質単結晶
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液体ヘリウム(-296℃)や液体窒素(-196℃)の低温寒剤を利用して、酸化物蓄冷材の開発や酸化物高温超伝導体の高電流密度化など低温物性を研究しています。また、低温技術を利用した超伝導重力計の改良や冷凍機の改良も行っています。

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南極昭和基地に設置した冷凍機を装備した超伝導重力計
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II-VI族無機半導体に、磁性元素およびドナー、アクセプター不純物を添加した混晶無機半導体の結晶成長を行い、電子顕微鏡観察により結晶構造、組成分析を行い、磁化測定、磁気光学測定で強磁性の有無や特性を研究し、強磁性無機半導体の新物質探索を行っています。

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分子線エピタキシー法による無機半導体結晶成長装置
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励起波長選択ラマン散乱や遠赤外域から紫外光域までの分光学的手法を用いて、非晶質半導体、有機無機複合型半導体、半導体量子ドット、フラーレンナノチューブなどの光学的性質、光誘起現象を研究しています。新しい光機能性物質の創製、超高圧印加などの外場で誘起される光特性や構造物性、それを利用した物性チューニングにも注目しています。

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ダイヤモンドアンビルセルを用いた超高圧下での顕微分光測定の様子
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超高速・高感度・位相敏感計測を実現する量子デバイス、特に高温超伝導体物質の量子物性を利用した超伝導量子デバイスについて研究しています。最先端のナノ微細加工技術と極低温実験技術を駆使して量子物性の学理究明と応用を目指します。

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新しい強相関物質、トポロジカル物質の開発と電子・光・熱物性に関する研究。先端物質合成、基礎物性測定、光学測定を駆使して新しい量子物性・機能性の開拓に挑みます。

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導電性高分子や導電性低分子を用いて、有機トランジスタや有機太陽電池などの新しい有機デバイスの開発を行い、特性評価や物性研究および高効率素子開発を進めています。伝導評価や電子スピン共鳴などの手法を活用し、デバイス構造を用いた物性研究や新しいミクロ特性評価および物性研究法の開発により、有機デバイスの動作原理の解明を目指しています。

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電子スピン共鳴によるミクロ特性評価用の導電性高分子の有機半導体デバイス
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固体伝導・光物性研究室(南 英俊)

絶縁体から超伝導体の電気伝導や光物性を研究しています。量子常誘電体が示す非線形光伝導現象の研究と、高温超電導体によるテラヘルツ光発振素子の開発(門脇研究室と共同研究)を進めています。
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ビスマス系高温超伝導体によるテラヘルツ光発振素子の模式図
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テラヘルツ帯の赤外・ラマン分光装置を主軸とし、凝縮系の物性研究を行っています。最近は、ガラスにおいてテラヘルツ帯に普遍的に現われるボソンピーク研究に力を注いでいます。また、ガラスのフラクタルダイナミクスや強誘電体の分光研究も行っています。

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テラヘルツ時間領域分光装置(左)とグルコースガラスのボソンピーク(右)。


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