自動血糖値コントロールシステム


研究目的

 現在、わが国において、生活習慣病の患者や、その予備軍といえる人々が急速に増加している。その中でも、糖尿病患者はこの40年間で実に50倍に増加している。 糖尿病においては、現在のところ血糖値の調節を行うことにより、合併症の発祥を抑制しようというのが、臨床上の治療目的になっている。それ故、自動インスリン投与システムや、簡易に血糖を測定できるセンサへの要望は高く、低侵襲で携帯可能な血糖値コントロールシステムが求められている。そこで本研究では、血糖値をモニタリングしながらインスリン注入し、血糖値をコントロールする微小分析システムの作製を目的とする。


研究内容

 本研究で作成したバブル型ポンプは図1に示す構造で、密閉された基板上に形成された電極上で内部電解液の電気分解を行い水素気泡を発生させ、それによりシリコン薄膜を膨らませることにより上段の溶液を押し出すものである。印加電流を変化させることで排出量、排出速度を調整変化させられる。
 また、グルコースセンサはサンプリングとセンシングをワンチップ上で行える仕組みになっており、逆イオントフォレシスにより抽出された体液中のグルコース濃度を測定する。
 ラットを用いたin vivo実験によりデバイスの実用性を調べる実験も行った。




図1.インスリンポンプの構造、バブル型ポンプの原理


図2.グルコースセンサ、
インスリンポンプとグルコスセンサの複合化

[参考資料] Naoto Ohgami, Sanjay Upadhyay, Ayumi Kabata, Katsuya Morimoto, Hitoshi Kusakabe, and Hiroaki Suzuki “Determination of the Activities of Glutamic Oxaloacetic Transaminaseand Glutamic Pyruvic Transaminase in a Microfluidic System” Biosensors and Bioelectronics, in press.