鈴木義和研究室 卒論・修論・予稿等作成時のチェックポイント(よくある間違い事例集)
要修正の表記・読み方 修正後の表記・読み方 コメント、なぜ修正するのか
諸言 緒言 読み方は「しょげん」です。毎年一人は言偏で書く人がいますので要注意! 誤用率No.1
浸漬(しんせき) 浸漬(しんし) 最近は、「しんせき」という慣用読み(?)も普及しつつありますが、鈴木研では「しんし」で統一しています。口頭発表の時は意識しましょう。「しんせき」、が正しいと信じている人も多く、また、言語は時代とともに変化していますので、他研究室の人が「しんせき」と読んでいても、気にせずスルーしてください。
焼結体を作成 焼結体を作製 サンプルや装置では、通常、「作製」をつかいます。
スライドを作製 スライドを作成 文書やプレゼンなどにつかいます。モノの場合も、日常的で簡単なものであれば「作成」を使うことがあります。
混合粉末を調整 混合粉末を調製 prepareやmanufactureするものは調製です。作製に近いですが、作製よりは簡単なイメージ。AとBを混ぜる、といった単純な操作の場合には、作製よりも調製がしっくりきます。
pHを調製 pHを調整 adjustやmodulateするものは調整です。時計を合わせるときやスケジュールも、「調整」ですね。
20℃ 20 ℃ 英文で「℃記号」の前に半角スペースを入れるかどうかは、論文誌・学会誌ごとに取り決めがあります。セラミックス分野では、J. Am. Ceram. Soc.では2020年現在も半角スペースを入れていませんが、J. Ceram. Soc. Jpn.では2019年度からスペースを入れることに統一しました。なお、ISO(国際標準)では半角スペースを入れることが推奨されています。
和文の場合は、そもそも数字と単位の間にスペースを入れるべきかどうかの規定があいまいなため、少なくとも文章単位で統一するようにしましょう。学術文書では、横書き和文の場合も英文に倣って、半角スペースを入れる場合が増えつつあります。
XRD spectra
XRD spectrums
XRD patterns 研究室で使っている角度分散型の(普通の)X線回折装置(横軸が2θのもの)では、幾何的に回折角を変化させて測定していますが、X線の波長、波数、エネルギー等は 変化せずに一定なので、出力されるデータセットは、「スペクトル」ではなく「パターン (図形)」です。やや古めの論文では、ロール紙にプロッタ印字していましたので、「XRD charts」という表現も出てきます。
角度分散型ではなく、波長分散型のX線回折であれば、XRD spectraという表現もあり得ますので、機械的に間違いとは判断しないようにしましょう。
なお、 spectrumsという複数形綴りは現在では間違いではないのですが、ラテン語系の英単語の場合はspectraと綴るのが正式です。(datum, dataと同じ)
Shimazu Shimadzu メーカー等の固有名詞は、必ず公式Web等で表記を確認しましょう。
Toso Tosoh メーカー等の固有名詞は、必ず公式Web等で表記を確認しましょう。
Spiro-OMeTAD Spiro-MeOTAD どちらも広く使われており、どちらも間違いではないのですが、鈴木研のこれまでの論文の多くがMeOTADの順にしています。(岡野君の論文ではOMeTADでした) 少なくとも同じ論文の中では統一するようにしましょう。
Fig. 1 and 2 Figs. 1 and 2 複数の図に言及する場合、Fig.という省略形を使う場合は、Figs.にしましょう。

2021年度
D論・修論・卒論チェック進捗表(□受け取り済み、チェック済み)
  1章 2章 3章 4章 5章 6章 (補章) 概要 全体チェック 学位論文提出日 プレゼン
谷口さん - - 1/11完了 2022/1/17-18  
遠藤さん - 1/11完了 2022/1/17-18  
鏡君 - - 1/17完了 2022/1/20 (@3F600)  
坂本君 - 1/19完了 2022/1/20 (@3F600)  
菅沼君 - - - 1/19完了 2022/1/20 (@3F600)  
中島君 - - 1/19完了 2022/1/20 (@3F600)  
福島君 - -   1/19完了 2022/1/20 (@3F600)  
圓道さん   - - - -   2022/1/27 (@3A416)  
宮田君   - - - -   2022/1/27 (@3A416)  
チェック方法 1章ごとに出来たところからメールで送ってきてください。今年度は対象者が多いので早めによろしくです!全体チェックの際は、表紙、目次、論文・学会発表リスト、謝辞、通しページ番号も忘れずに書いて下さい。
構成 原則として、2章・3章・4章などの本文は、章ごとに各章のイントロ(背景や目的)、実験・解析方法、結果と考察、小括、参考文献など、投稿論文に近い構造で書いていきましょう。特にD論・修論は本文各章≒投稿論文1報相当のイメージです。総括・結言に当たる章(多くは5〜6章)は1章で提示した論文全体の目的に対応させることを意識して書きましょう。また、論文の本筋に含めにくいサブテーマ的な内容や、自作装置・解析法の詳細などは補章(補遺)に入れると書きやすくなります。
執筆順序 1章(論文全体の緒言)が案外難しいので、2章以降を先に書いてから1章に戻るのもOKです。
目安分量
 鈴木研では、卒論は40ページ以上、修論は60ページ以上、D論は100ページ以上を一応の目安としています。第3者が実験・解析をトレースできる程度に詳しく書きましょう。長い分にはOKですが、単なるデータ集にはならないように意識しましょう。
確認事項 ・装置や試薬の型番・メーカー名も忘れずに記載してください。装置写真や試料セッティングの詳細(写真やイラスト)なども含めると、後輩の皆さんの参考になります。
・参考文献の体裁(著者名の姓名の順、大文字・小文字の使い方、書誌名の表記方法など)を論文全体で揃えるようにし、各参考文献のタイトルをできるだけ書きましょう。
・半角ハイフンと半角マイナス記号は意識して使い分けましょう。半角マイナスは半角で2212と入力してからAlt+Xキー入力です。
化合物名を英語で綴るときには、文頭・略号・固有名詞以外は小文字から綴り始めてください。試薬メーカーのWebサイト(カタログ)に倣って、全て大文字から始める人がいますが、これはNGです。人名などを冠した試薬以外は、一般名詞です。

・ 図のキャプションは図の下、表のキャプションは表の上。図表をWordに貼りこむときは、レイアウトの詳細設定で、文字列の折り返しを行内にしましょう。また、キャプションにはテキストボックスを用いず本文(行内)を使いましょう。こうすることで、編集中に図表とキャプションの位置関係が崩れることが防げます。レイアウトの細かい調整は、内容を確定させた最終段階で行います。投稿論文化する場合は特に、表はWordかExcelで作るようにして、編集可能な状態にしておきましょう(画像データでは、解像度不足になります)。
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