門脇和男
1994年12月26日
応用物理、第63巻、第4号(1994), p354として出版
概要
高温超伝導体は、超伝導状態が異常であると言われている。特に、磁場中では、多くの物理量が従来の超伝導体と異なった特異な振る舞いを示すことが知られている。この原因に関して、最近、超伝導揺らぎが重要な役割を果たしていることが、理論的にも実験的にも確認されてきて、高温超伝導体の磁束状態の理解が急速に進んでいる。本稿では、高温超伝導の混合状態の特異性とはどのような現象か、なぜそれが高温超伝導体で発現するのか、それが現段階でどのように理解されているか、さらに、今後の研究課題として残された問題点はなにか、等を解説する。
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