本学系は以下の6つの研究分野からなります。
凝縮系物性工学分野では固体の相転移の実験および理論を、電子物性分野では物質を特徴づける電子現象を、材料物性工学分野では、
金属材料および金属物理を研究の対象としています。化学物理分野では、化学および生体反応素過程などを物理の視点で、
物質化学分野および生体物質工学分野では、化学および生体機能材料を対象としています。超伝導、誘電体、磁性体、半導体、金属、セラミックス、機能性触媒、機能性高分子、生体機能物質などの研究は、今後の産業におけるさらに大きな可能性の源泉となって行くと予想されています。これらを理解するための物理から化学にわたる横断的基礎の上に立つ相補的研究の遂行が本学系の最大の特徴です。これにより、本学系は新機能や新奇な物理・化学的現象を発現する物質の創成・開発に貢献しうる研究成果の発信基地を目指しています。一方、21世紀に向けた新しい物性工学及び分子工学の発展を見据え、新産業の創出に貢献し、ベンチャー精神に富んだ、柔軟思考の研究者や高度専門職業人を養成するための教育にも重点を置いています。
研究分野
凝縮系物性工学分野
大成 ・松石 研究室
(教授:大成誠之助、 准教授:松石 清人 )
分光学的手法による半導体(非晶質、低次元系、量子ドット)の光誘起現象、相転移現象、
超高圧物性の研究と新光機能性物質の開発。
電子量子物性、計算量子物理、広い意味での物性理論、光と凝縮系の相互作用。
酸化物超伝導の物性研究とその応用に関する基礎的研究。
南 研究室
(講師:南 英俊 )
固体物理,金属・半導体相転移,高温超伝導,構造相転移などの機構解明,
レーザーアブレーションによる薄膜作製の研究。
古谷野 研究室 [低温センター]
(講師:古谷野 有 )
電子物性分野
門脇 ・掛谷 研究室
(教授:門脇 和男
講師:掛谷 一弘
講師 :小久保 伸人
)
高温超伝導体、重い電子系等、強い電子相関効果が顕著である物質の基礎物性の研究。
黒田 研究室
(准教授:黒田 眞司)
新電子材料の物質開発と物性研究(半導体超格子構造や高温超伝導体の研究を含む)、および
希薄磁性半導体・ナローギャップ半導体を含む人工微細構造の強磁場下の光学的・電気的特性の基礎研究。
鈴木 研究室
(准教授:鈴木 修吾 )
新機能性物質の構造最適化と電子状態の第一原理研究、
及び電子物性における新機能発現の理論的探索
丸本 研究室
(准教授:丸本 一弘 )
新しい機能性物質の開拓・物性研究およびデバイスへの応用研究。
特に、導電性ポリマーなどを用いた有機半導体デバイスの開発と物性評価および特性制御。
酒井 研究室 (強相関相制御チーム)次世代半導体研究センター
( 酒井 滋樹 )
物質の強誘電性、超伝導性、磁性等を積極的に活用し、最先端の
半導体微細加工技術も利用した物性デバイスの研究。
橘 研究室 (強相関相制御チーム)強相関電子技術センター
( 橘 浩昭 )
従来の常識を越える、光・磁気・伝導結合型の新しい電子物性・電子機能を開拓。
材料物性工学分野
大嶋・高橋 研究室
(教授:大嶋 建一
講師:高橋 美和子 )
X線、放射光および中性子散乱法を用いた磁性合金、低次元物質等の構造と物性の関連性についての研究。
水林 ・ 谷本 研究室
(教授:水林 博 准教授:谷本 久典 )
1) 弾性・擬弾性測定を主に利用した固体物性の研究(アモルファス合金、薄膜、金属人工格子、ナノ結晶など)
2) 金属における結晶欠陥の挙動、およびその制御による高機能化に関する研究。物質の結晶学研究。
形状記憶合金の開発と物性研究(相変態、形状記憶効果、超弾性、機械的性質)、
形状記憶合金薄膜、マイクロアクチュエータ素子。
木塚 研究室
(准教授:木塚 徳志
講師:ホセ・トーレス
助教:安坂 幸師 )
ナノ物質の原子配列を観察しながら、原子を操作できる「アトムファクトリー」を独自に開発、
原子ワイヤー・カーボンフラーレン・ナノチューブなどのナノテクノロジーについて実験している。
宝野 研究室 (物質・材料研究機構)
(教授:宝野 和博
(英語 / 日本語) )
先端金属材料のナノヘテロ組織の原子レベル解析による特性発現メカニズムの解明と新材料開発への展開
固体、液体や生体中における電子・原子のダイナミックスの理論
(光との応答、化学反応や生体機能反応などの動的過程を記述する理論)
戸嶋・日野 研究室
(教授:戸嶋 信幸 准教授:日野 健一 )
1) エキゾティック原子の衝突ダイナミックスと気相中の原子過程の理論的研究
2) 低次元半導体(量子井戸、超格子、量子ドット)における電子物性、光物性の理論的研究
広帯域光散乱分光法、広帯域誘電分光法等による低分子液体のガラス転移、ダイポールグラス、
リラクサー誘電体のスローダイナミクスの研究
タンパク質を含む有機分子系における圧力誘起析出・結晶成長の機構の研究。
人細胞の圧力応答に関する分子機構の解析と応用。
導電性、強磁性、強誘電性、液晶性、光学活性などの複数の機能を併せもつ複合機能化共役系高分子
および遷移金属錯体の設計、合成とその電子・分子物性の物質化学的解明。
新しい共役系分子材料の合成と物性:新しい電界発光性共役系高分子の合成開発、
高収率炭素化共役系高分子を用いる新炭素材料開発、電子・光発色性機能性分子の合成開発、
新炭素同素体カルビンの合成研究。
生物化学的有機合成及び生物機能工学。光合成の分子機構の解明。
国森・冨重 研究室
(教授:国森 公夫 准教授:冨重 圭一 )
地球温暖化ガス亜酸化窒素の選択還元反応、燃料電池用水素の製造、
天然ガスやバイオマスからのクリーン燃料の合成、炭酸ガスからの有用有機化合物の合成などの
資源・環境問題解決のための触媒反応および表面化学反応ダイナミクスの解明。
マイクロマシーニング技術を応用した、マイクロバイオセンサ・化学センサを含む
新規な生物・化学デバイスに関する研究。
表面科学的手法による原子レベルでの触媒反応メカニズムの研究、
特に原子レベルでの活性点の構造と中間体の反応性について研究する。
光合成蛋白質、光合成酸素発生系の構造と反応の解明、
ニトリルヒドラターゼの光と一酸化窒素による活性制御機構の解明。
生物化学的有機合成及び生物機能工学。光合成の分子機構の解明。
マイクロマシーニング技術を応用した、マイクロバイオセンサ・化学センサを含む
新規な生物・化学デバイスに関する研究。
固体、液体や生体中における電子・原子のダイナミックスの理論
(光との応答、化学反応や生体機能反応などの動的過程を記述する理論)
タンパク質を含む有機分子系における圧力誘起析出・結晶成長の機構の研究。
人細胞の圧力応答に関する分子機構の解析と応用。
竹森 研究室
(教授: 竹森 直)
電子量子物性、計算量子物理、広い意味での物性理論、光と凝縮系の相互作用。
光合成蛋白質、光合成酸素発生系の構造と反応の解明、
ニトリルヒドラターゼの光と一酸化窒素による活性制御機構の解明。
物質・材料工学分野
板東・Golberg 研究室 (物質研究所)
( 板東 義雄、Dmitri V. Golberg :
超微細構造解析研究グループ )
電子線、イオン、X線、放射光などの先端的なビーム技術を駆使した新しい解析装置や
解析手法の開発と電子顕微鏡、イオン散乱分光やSpring-8等を利用して、
窒化ホウ素ナノチューブなどの新ナノ材料の高度な解析研究。
岸本・武田 研究室 (ナノマテリアル研究所)
( 岸本 直樹、武田 良彦 :
ナノファンクショングループ )
粒子の選択励起による機能表面の加工・解析技術の開発研究。
平野 研究室 ( 材 料 研 究 所 )
( 平野 敏幸 Ni3Al箔グループ )
冷間圧延によって約50ミクロン厚さのNi3Al箔の製造とハニカム構造体作製の研究 。
宝野 研究室 ( 材 料 研 究 所 )
(宝野 和博 ナノ組織解析グループ )
ナノヘテロ金属材料の機能発現メカニズムの解明に基づく 新金属材料創製に関する研究
ならびに運営交付金プロジェクト
ナノ組織制御による次世代高特性材料の創製に関する研究 を推進し、ナノ材料の基礎研究。
井上 研究室 ( 物質研究所 )
(井上 悟 機能性ガラスグループ )
・ガラス研究手法のコンビナトリアル化に関する研究
・コンビナトリアル化学手法による新ガラス探索研究
・ガラス表面へのナノ構造形成法に関する研究
・新規ナノガラスのニューガラスへの応用に関する研究
佐々木 研究室 ( ナノマテリアル研究所 )
(佐々木 高義 ナノシンセシス研究グループ )
・新ナノスケール物質の探索・創製に関する研究
・光エネルギー材料に関する研究
宇治 研究室 ( ナノマテリアル研究所)
( 宇治 進也 ナノ量子輸送グループ )
量子機能発現に関する研究:量子機能探索
陳 研究室 ( 生体材料研究センター)
(陳 国平 細胞基盤技術ループ )
細胞と生体材料の相互作用を遺伝子の発現レベルで解析
細胞工学と遺伝子工学を用いて再生医療のための生体親和性の高い材料開発