BaBiO3への元素置換が誘起するスモールポーラロンによる電気伝導および金属半導体転移」

 

パイエルス半導体BaBiO3に元素置換したBaPbxBi1-xO3Ba1-xKxBiO3は金属半導体転移を起こし,比較的高い超伝導転移温度を示します.この系が永く調べられてきたのは,元素置換濃度のかなり大きな濃度まで半導体であるのはなぜかということです.私たちは最近,BaPbxBi1-xO3において電気伝導および帯磁率の測定から,元素置換に伴い移動度が大きな活性化エネルギーを持つことを見出しました.このことは,置換したPb4+が形成する伝導帯の下にスモールポーラロンが出来ていることを示しています.Ba1-xKxBiO3では中赤外スペクトルからBi5+バイポラロンバンドが見出されましたので,ここに熱励起された電子はBi4+スモールポラロンとなり電気伝導に寄与します.これらに基づいてこの系の金属半導体転移を検討します.