3. 硫黄を用いる機能材料の開発とその応用
硫黄は酸素と同族元素で天然に遊離の状態で存在する数少ない元素の一つです。また、硫黄は石油の精製過程(脱硫)で多量(余剰)に生産されています。実際、日本では現在、単体硫黄の有効な利用法を持たずに原体のままで120万トン(総生産量の50%)も輸出しています。
資源の有効活用の観点から、この硫黄を直接反応に利用した新しい機能材料の開発について研究を展開しています。
上記の反応で得られるポリチオアミドは、代表的な汎用性ポリマーの一つであるポリアミド(ナイロン)の酸素原子を硫黄で置き換えたポリマーですが、ポリアミドとは大きく異なる特性を示します。現在、これらのポリマーと金属の相互作用の解明など基礎・応用研究を展開し、分子認識や選択的分離回収などの新素材としての可能性について検討しています。また、チオアミド基やホスフィンスルフィド基の非共有結合性相互作用(配位結合・水素結合)を活用した新しい金属錯体・リン光発光材料・レセプター・分子集合体・単分子薄膜等の分子設計と機能評価について研究を進めています。
チオアミドの合成
(Organic Chemistry Portalに掲載)
ポリチオアミドの合成
ポリチオアミドの応用研究
環状チオアミドの調製と応用
環状チオアミドの包接機能
環状チオアミドの包接機能変換
リン光発光錯体の合成と応用
リン光発光錯体の合成2
りん光発光錯体の合成3
リン光発光錯体の機能化
リン光発光錯体の集積化
りん光錯体のハイブリッド化
りん光発光Ir錯体の合成と応用
これまでの研究を総説にまとめました。(Chemistry Letters,2015, 2, Open access)
チオアミドに関する専門書を分担執筆しました。(Chemistry of Thioamides SpringerLink)
硫黄と藻類産生オイルを使った高分子材料開発
研究成果がプレスリリースされました(2020.10)
→ WEBメディアなど(Fabcross, Optronics 外)で紹介されました。