Updated on February 4, 2013
理系のための実践フランス語講座
「理系のための実践フランス語講座」 開講!
最近では学生のみなさんの英語力がアップしてきており大変頼もしい限りですが、今後は「英語はできてあたり前」という時代がやってきます。「英語+One」を意識して、第2外国語にもチャレンジしてみましょう。本サイトでは、筆者が結構まじめに取り組んでいるフランス語を紹介していきます。
Sud Toulon-Var大学との共同研究
 ナノラマン・AFMの専門家、Jean-Christophe VALMALETTE先生と共同研究を行っています。
(詳細は近日中)
ルイ・パストゥール大学(ストラスブール第1大学)での集中講義 (2008/11/5-12/5)
 2008年11月5日~12月5日の1ヶ月間、ルイ・パストゥール大学(ULP、ストラスブール第1大学)のECPMに招へい教授として招いていただきました。CronenbourgキャンパスにあるECPM (Ecole Europeenne de Chimie Polymeres et Materiaux)は「化学校」あるいは、「化学専門職大学院」といった位置づけの部局で、エンジニア養成を主なターゲットにしており、実学重視の教育課程となっています。修士課程と互換していますが、学生実験も頻繁に行われています(フランスでは、TP(travaux pratiques, てーぺー)と呼ばれています。) ULPの本部キャンパスにも化学科があるのですが、こちらは、ちょうど「理学部化学科」に相当するようです。
 
 滞在期間中は、IPCMSのオフィスで共同研究論文を書き上げつつ、エネルギー材料に関する集中講義をECPMで行うという日々でした。

講義用資料(短縮版)のダウンロードはこちらから。
ルイ・パストゥール大学(ストラスブール第1大学)との共同研究 (2008/5/14-6/11)
 2008年5月14日から2008年6月11日にかけて、京都大学とルイ・パストゥール大学(ULP、ストラスブール第1大学)との学術協定に基づいた共同研究(派遣研究)を実施しました。例年、全学で2名ほどが互いの大学を行き来するのですが、2008年は日仏交流150周年を記念する特別な年であり、ULPと日本学術振興会(JSPS)が共催するワークショップへの参加を含む約4週間の滞在、という形となりました。
 5月29日、30日のワークショップ(ULP-JSPS Joint Forum on Frontiers in Biology/Chemistry/Physics" )には、ULPと学術協定を結ぶ日本の多くの大学・研究機関から研究者が招待され、各分野での活発なディスカッションが行われました。講演の模様は、3台のビデオカメラで撮影され、ライブ中継も行われました
 シンポジウムの前後、若手研究者はそれぞれ、ULPのホスト研究者と一緒にディスカッションや実験を行うことになります。私の場合、ストラスブール材料物理・化学研究所(IPCMS)に受け入れていただくことになり、ホストのBenoît Pichon博士とともに、Magnetite-titanate nanotube系のナノ複合材料の合成を行いました。この共同研究は現在進行中ですので詳細は後日紹介します。 → J. Ceram. Soc. Jpn. 2009年3月号に最初の共同研究成果が公開されています(doi:10.2109/jcersj2.117.381, J-stage・アクセス無料です)。

日仏先端科学(JFFoS)シンポジウム (2008/1/25-27)
 こちらも日本学術振興会の事業ですが、2008年1月にフランスで開催された第2回JFFoSの参加研究者に選んでいただきました。このシンポジウムは、3日間(前後を入れると5日間)に渡ってブルターニュ地方のロスコフにて合宿形式で行われました。
(昼間は干潮で陸地が見えていますが、朝晩は海の中です。どこかに私が写っています。探してみてください。)

 自然科学・社会科学の8つの先端分野それぞれで、チェアの先生が15分の全体紹介をした後、日仏の研究者による各30分の講演、そして、45分のディスカッションという形式です。日ごろの学会とは異なり、すべての分野の研究者からさまざまな質問が飛び交い、特にはスリリングな、時にはユニークな熱い討論が繰り広げられました。発表の詳細はここではご紹介できませんが、会場の雰囲気だけでもお伝えしたいと思います。

■2008/1/24 パリCDG空港、ブレスト空港経由でロスコフに到着
←まずは、中部国際空港から、パリへと飛びました ←パリから2007年12月にできたばかりだというブレスト空港に、小さい飛行機で向かいます
ブレストには現地時間の夕方5時過ぎに到着。ここから、ロスコフまではバスで約1時間です→ 夜7時ごろにホテルに到着です→
■2008/1/25-27 シンポジウム (中身をご紹介できないのが残念ですが・・・)
←ロスコフの夜明け。フランス国内ではかなり西側ですので、8時ごろにようやく明るくなります ←月明かりの下、、ホテルから、カリフラワー畑(?)の脇を抜け、会場のStation Biologique de Roscoffに向かいます。
シンポジウム会場は海に面しており、スクリーンの隙間から海が見えます→ 日仏交流150周年のイベントの一環にもなっています→
←CNRS、Direction des relations internationalesのディレクターを務めるFrédéric Benoliel氏のご挨拶(日本語も堪能です) ←JSPSより、小林誠理事のご挨拶
在日フランス大使館科学技術部のJean-Louis Armand参事官のご挨拶(陽気で気さくな方です)→ ご挨拶の後、いよいよ、シンポジウムのスタートです。毎日、晩遅くまでディスカッションが続きます。→
←会場周辺。このあたりは干満の差が大きく、海洋生物学の研究に最適とのことです。 ←やはり、ブルターニュ地方はシーフードが豊富。
JFFoSの詳細は、 http://www.jsps.go.jp/j-bilat/fos_jf/jishi_02.htmlのページをご覧ください。

Ecole des Mines de Parisとの共同研究
 2006年10月1日から2007年9月30日にかけて、日本学術振興会の特定国派遣研究者制度により、フランスの著名なグランゼコルの一つであるEcole des Mines de Parisに1年間の研究留学を行うことができました。私が滞在したのはパリのメインキャンパスではなく、エネルギー・プロセス研究センターが入っている南仏ソフィア・アンチポリスキャンパスです。派遣先では、Professeur associé(客員(准)教授)という肩書きをいただき、研究だけでなく、博士・修士課程の学生の指導も一部行うことができ、非常に良い経験になりました。
 Ecole des Mines de Parisでは、Patrick Achard教授が主宰するEM&P(エネルギー材料・プロセス)グループに所属し、酸化チタンのエアロゲル関連の仕事をしつつ、Laurent Fulcheri教授が主宰するPlasmaグループと一緒に非平衡プラズマによる粉末処理の仕事をさせていただきました。どちらのテーマについても面白い研究成果が得られ、今後、なんらかの形で日仏共同研究につなげていきたいと考えています。

 下図は、フランス滞在期間中の2007年5月に、Engineering Ceramics 2007国際会議で発表することになった「非平衡DCアークプラズマを用いたTiO2ナノ粉末の表面処理」に関するポスターです。発表の時点では窒化の裏づけデータが弱く、「着色TiO2が得られた」という程度でしたが、その後、EELSやXPSによる窒化を示すデータが得られています(J. Nanosci. Nanotech., in press)。
 比較的短時間(数分から10分程度)かつ低消費電力(180W前後)のプロセスで、粉体の粒径や結晶構造に大きな影響を与えることなく部分窒化が可能ですので、光触媒TiO2等以外にも様々な応用が期待できます。

 下図は、フランス滞在期間中の2007年9月にSol-Gel2007国際会議にて発表したものです(旅費の都合で参加できませんでしたので、同僚のArnaudに発表してもらいました)。もともと、TiO2エアロゲルとTiO2ナノワイヤーの複合材料を作るというもので、研究留学当初から計画していたものです。ポスター中央にあるように、ゲル中にナノワイヤーがナノオーダーで分散した、非常に特徴的な組織が得られています(Nano, in press)また、これに関連するTiO2エアロゲル単体に関するもう1件のポスター発表も行っています。
 フランス渡航に必要な手続きなどは、私の個人サイト(Quartier Futsuken)でも紹介していますので、フランスへの海外研究留学に関心のある方はご覧になってください。サルコジ大統領の就任以降、滞在許可証の発給にはある程度のフランス語力が必要になってきているという話もちらほら耳にします。もしかすると研究者は適用外になるのかもしれませんが、多少のフランス語はできたほうが滞在期間中の研究生活を有意義なものにできると思います。(いずれにしても、私の経験談も含め、ネット上の情報の新鮮度は次第に落ちて行きますのでで、在日フランス大使館で最新情報を要確認です。)

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