金属薄膜

金属薄膜は、単結晶Siの基板上にスパッタ装置などで、Al、Cuなどの金属を薄く成膜したものです。その膜厚を薄くしていくと、約10nmよりも薄くなったときヤング率が大きく低下するという現象が起こります。これは膜厚の厚さやバルク(粒径)の大きさなどが関係します。
現在のLSI、ULSIなどの配線は、厚さが数百から数十nmオーダーまで実現されています。これからのデバイスは、今よりさらに小さくなっていき、薄膜製作技術や薄膜の力学的特性の理解は不可欠なものとなるでしょう。
また、配線を微細化する際に問題となるもののひとつにエレクトロマイグレーションがあります。これは電子との衝突で運動量を受け取った金属イオンが配線中を移動し、配線にボイド(孔)やヒロック(突起)を形成し、断線などの故障を引き起こす現象です。この現象の理解がデバイスの微細化に貢献すると考えられ、現在研究が進められています。