導電性を示す超分子ポリマーフィルム

 

 一般的なポリマーは、炭素−炭素間の共有結合によって連結され、柔軟なフィルムや高い強度を持った材料となります。これに対して近年、超分子ポリマーが注目されています。超分子ポリマーとは、小さな分子が水素結合などの非共有結合性相互作用によって連結されることでポリマーのような性質を示すものです。この特殊な連結様式を持つため、自己修復機能などの従来のポリマーには見られない特性を示すことが知られています。

私たちは、グアノシンの水素結合能を利用した機能性超分子の開発と機能評価を進めています。グアノシンの水素結合をうまく利用可能できるような分子を設計し、実際に合成を行いました。得られた化合物は小さな分子であるにも関らず、柔軟なフィルムが形成可能であるなど、高分子のような性質を示すことがわかりました。これは、期待したように水素結合によって分子が連結され、超分子ポリマーとなっていることを示す結果です。

 

 

また、この分子には導電性を発現する部位が連結されています。そのため、適切な酸化剤を加えることで導電性が発現することも見出しています。導電性高分子はこれまでによく知られていますが、今回の結果は導電性超分子の開発につながることが期待できます。



研究内容

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