活性酸素測定マイクロフルイディックシステム
研究目的
血液中の白血球は体内に存在する酸素から強力な酸化力を持つ活性酸素を生成することで、体内に侵入した細菌の殺菌・消毒を行っている。一方、活性酸素は体内の正常な細胞をも酸化し損傷させるため、活性酸素の過剰生成に伴う細胞酸化障害が癌・心筋梗塞などの疾患の一因となっている。このため、生体内の活性酸素濃度をセンシングすることは予防医療や医療現場において非常に重要であり、本研究では白血球が生成する活性酸素種、O2  ̄(スーパーオキシド)の測定を目的としている。
研究内容
スーパーオキシドと特異的に反応する金属酵素SODを金電極表面に化学的に固定し、スーパーオキシドが酵素反応によって消費される際に生成される電子を金電極が検出することで、スーパーオキシド検出バイオセンサーを作製した。
白血球
酵素反応 :
さらに、血液中の白血球を物理的に捕捉する白血球トラップ流路に上記のバイオセンサーを組み合わせたスーパーオキシド検出デバイスを構築し、擬似白血球から生成されるスーパーオキシドの検出・定量を達成した。
白血球トラップ流路(SEM)
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参考:橋本正利、岸本朋子、福田淳二、鈴木博章、西泰治、活性酸素測定用マイクロフルーイディクスシステムの構築、平成19年度電気学会 センサ・マイクロマシン部門総合研究会, 筑波大学, 平成19年7月